楽しさに逃げ込むと人間力である魂は落ちていく

うつ病のとき、楽しいか楽しくないかのどちらかといえば、楽しくはなかった。嫁姑問題があり、宗教問題もあり、あらゆる場面で楽しさに欠けていた毎日でした。そして、身近に得られる娯楽や楽しさに逃避し、妥協し、生活していました。

うつ患者は私と同じような思考パターンではないでしょうか。食べるなどさまざまな欲求を満たし、現実問題をうやむやにする。うつ患者に限らず、現代ではすぐに欲求を満たせる環境にあるので誰しも同じなのかもしれません。

日本は今や衰退途上国です。国民の多くは、強弱はあるかもしれませんが苦しい生活を強いられています。人間関係がきっかけとなり、病んでいる人もいます。病気大国であり、薬消費大国です。どこをどうみても問題だらけの国。人の体で例えるとしたら、がんの末期状態です。

病気になったとき、それを治したいと思うときは、自分自身に向き合うしか方法はありません。病気は自ら作り出したものであり、環境などの外的要因と同様に内的要因にも原因はあるからです。自分自身に問題の根源がある。国のなおしかたも同様で、立て直しのためには問題の根源は何かというところをみていくしか方法はありません。

楽しさに逃げるとは、対症療法にもならず、余計に問題から逃げることになります。逃避癖があり、問題や現実に直視できないほど、精神が弱っているから、また楽しさに逃げ込みます。

娯楽があまりにも多い現代社会。楽しむことはもちろん必要ですが、現実直視能力をはじめ、人間力が落ちた原因のひとつが、娯楽やサービスに逃げ込みたくなる精神性ではないでしょうか。日本の病と人の病の原因ではないでしょうか。