人が病気になったとき、多くの人は治るということが「正しい」ととらえます。しかし、本当に治ることが正しいことなのでしょうか。
私のうつ病も治ることなく、10年間の闘病生活でした。その間、治らない状態により利益を得ていました。人間関係にうんざりして人から離れられることができました。エホバの証人の集会も奉仕も学ぶことも飽き飽きしていました。仕事も家事も育児も夫任せでした。幼少期に甘えられなかったため夫に甘えている状態でした。病人という弱者になることで気にかけてもらえました。人権を守っていたかもしれません。他にもいろいろと得となることは出てくると思います。
病気がイコール「悪」ではないことは経験上、よく理解できました。うつ病という病気になったという経験を通して、自己の内面に向き合うことの重要性を学べました。トラウマやコミュニケーションの問題などにも向き合い、納得のいく人生を歩むことができました。
この世に善も悪もないという視点を持つことは難しいかもしれません。病気になればそれを治したいと思うのが人間だからです。しかし、角度を変えるとみえているものの解釈は変わってきます。
人生において、善も悪もないという視点を持って、さまざまな事象を考察することは重要であり、自分の善と悪で人を支配することがないようにしたいと思います。特に自分の善悪の価値観で子どもたちが持っている価値観を変えないようにしたいですね。