私がうつだった時、周りの方は慰めてくれました。優しさや親切さを示してくれました。いつかよくなる、よく頑張っている、自分のできたところを褒めるといいよなど、いろいろと綺麗な言葉で慰めてくれました。でも、何も改善もなく、日々悪くなるばかりで、自殺未遂にまで及びました。
よく、うつや病気の方には優しく接したり、優しい言葉をかけましょうなどと勧められていますが、果たして本当にそれで体調はよくなるのでしょうか?優しさや愛情や慰めでよくなるのでしょうか?今までの選択、考え方、生き方によって今の状態があるのに、何を、どこをよいと言っているのでしょうか。
私が改善、治癒の道に方向転換できた一つのきっかけは、「あなたの今までの生き方が愚かなんです」と叱られたことです。40年と数年生きてきて、はじめて生き方について強く叱られました。叩きのめされました。そして、自分自身もクズだった、カスだった、アホだった、愚かだったと思えたのです。
常に甘えがあり、依存心が強く、自分の身の回りのことは自分でできておらず、自分の感情も感じてあげず、口に出さず、ただ文句だけをいい、自分は間違っていないと思っていたのです。病気だからできないことがあっても仕方ない、病気だから優しくされて当然と病気を盾にしていたのです。人の顔色を伺っていい人を演じてもいました。
甘えや依存だけの問題だけではありません。甘えない選択をしたとしても、うつはよくならないのです。どうして甘えてしまうのか、どうして依存してしまうのか、自分の今までの生き方を振り返り、人生を見つめ直し、その理由を認識、自覚し、心の底からクズだったと腑に落とさなければ、上に這い上がれないのです。自分の愚かなところを見ないと生き方や身体は変わらないのです。陰極まらないと陽とはならないのです。
自己卑下はとてもつらいことかもしれませんが、私はそれほどつらくはなかったです。本当に自分が愚かな生き方をしていたと思えたからです。
私は優しい言葉や慰めは、病気をよくしていくには「毒」だと思っています。優しさや慰めで誰もが救われていたら、この世はとっくに世界平和を達成しているし、病気もこれほど蔓延していないと思います。しかし、そうなっていないのは、その言葉たちが毒である証拠とも言えるのです。