エホバの証人の精神的強さと生命力

私が所属していたエホバの証人の会衆では、がんや精神疾患など病人はいましたが、比較的みな長寿でした。長寿の理由のひとつは、永遠の命と楽園という希望を持っていたからだと思っています。何かしらの希望や目標を持っている人の生命力は、持っていない人よりも強いことは確かです。しかし、これは表面的な理由です。では、深層心理では何を思っているのか。

ひとつ考えられることは、死への恐れがあるのではないかと思います。

一度、事故に合い、死を身近に感じた人もいることでしょう。家族の苦しい闘病生活を現実で体験し、そこから死への恐れを経験した人もいるでしょう。または、この世に出ることができなかった人の命、その子の死を無駄にしないために、頑張って生き続けているのかもしれません。

何にしろ、死ということに執着があるからこそ、この世から離れないといえます。私も父親や祖母など、いろいろな人の死をみてきました。私は自殺未遂者で死んでいたかもしれませんが、今、生きているのは、私自身も死への恐れや執着があるのだと思います。ですから、永遠に生き続けられる楽園がテーマとなっている宗教団体である、エホバの証人に属していました。家族の復活もどこかで期待していたことでしょう。家族に会いたいと思ったことでしょう。

生きる力や行動力はどこからでも生み出すことはできます。エホバの証人や宗教組織に属することはもうないですが、精神的な強さの維持や学ぶ姿勢、人々へと伝えようとする努力と行動力は、エホバの証人時に得たものなので、そういう姿勢は大事にしていきたいと思います。