布教活動を偽装する現代の宗教組織

布教活動を偽装する現代の宗教組織

以前もブログ記事として書きましたが、現代の宗教は、布教活動、伝道活動において、宗教色を出さずに偽装して活動する組織が多いです。ですから、高校生や大学生という若者がターゲットになっています。

カルト宗教はあらゆる形態で潜んでいる

宗教の勧誘に大学生が狙われる理由

エホバの証人は明確に宗教組織ということを名乗って伝道活動していましたので、ある意味、いさぎよいといえます。

いさぎがよいですが、やはり不安や恐怖を煽って勧誘していたと思います。ハルマゲドンがもうすぐくる、エホバに信仰を抱いていないと滅ぼされる、今後、大地震や社会情勢が悪くなるなど、聖書を読んでいても恐怖心のため、エホバの証人の組織から出ることに躊躇されるかたもおられます。どうせこの世で死ぬのなら、このまま組織にとどまって死んだほうがまだいいと思うのです。

恐れや不安で宗教を行っているのなら、宗教の本質から逸脱しているようにも思えます。宗教とは、人生を豊かにするもの、生き方や考え方を見直すためのものではないでしょうか。自分自身や家族や次世代、七世代先の子孫の繁栄や幸せのために行うものだと思います。

人それぞれ宗教の概念があると思いますが、恐怖心や不安を煽らず、人をだますような偽装した活動にならない宗教でしたら、私はむしろ宗教は存在価値があると思っています。

今、仏教に関する書籍をいろいろと読んでいますが、結構、面白いですし、知らなかった歴史や背景から宗教を学ぶことは、自分自身の生き方や考え方を見つめ直す時間にもなっています。

キリスト教と仏教では、放蕩息子のたとえ話がどちらも出てきますが、親の対応がそれぞれ違うということも最近知りました。
教養としての仏教入門 身近な17キーワードから学ぶ (幻冬舎新書)/中村 圭志

宗教はもううんざりと思っていましたが、楽しい一面にも気づけてよかったです。

宗教にとどまる理由

宗教にとどまる理由

以前、長年エホバの証人として活動されていた年配のかたに、「エホバの証人として長い間、信仰を保つことは困難だったと思います。大変でしたね。」と伝えたところ、「今さら、他のどこに行き場所があるの?ここにいることが、一番いいだけなんですよ。」と返事が返ってきました。熱い信仰心を持って返答されると思いましたので少し驚きましたが、人間味があり、裏心の無い言葉を聞けてよかったと思います。それから、彼女はしばらく経ってから亡くなりました。

宗教を始めることにも理由はありますが、組織に留まっている理由も必ずあります。

行き場がないのかもしれません。
死ぬのが怖いかたもいました。
楽園では病気も無く、老いも無く、永遠に生きられます。
亡くなった家族に会いたいと、懸命にエホバの組織に留まっておられるかたもいます。
何か強い後悔が理由かもしれません。
今度こそは、家族、家庭を大事にしようと、楽園の生活を待ち望むかたもいます。

宗教を続けることには様々な理由があるので、誰がどうこうしても無理です。病気を治すのと同じです。病者が治りたいと能動的に生き方や考え方を変えない限り、何も変化は起きません。

ですから、他者を変えるよりも自分から変わっていくことをすすめています。宗教の問題も人間関係の問題も病気の問題も、自分がどれだけ変わることができるかが鍵となります。

カルト宗教はあらゆる形態で潜んでいる

カルト宗教はあらゆる形態で潜んでいる

現代の宗教の勧誘は、宗教色を出さずに信者集めをすることが多いように見受けられます。自己啓発セミナーやヨガ教室、ハンドパワーなど一般の方が興味を持つ療法を使って勧誘、壺など高価な物を売る霊感商法など、初めは宗教だと気づかずに宗教にハマっていく方は多いのかもしれません。

もし、参加した本人や家族のその組織が、危険のない組織なのか、カルト宗教なのか、検討してみることは重要です。では、どんな基準で検討したらいいのでしょうか。

① 伝道に際し、宗教団体の伝道であることを隠すなどウソがある。
② 信者らに高額のお金を要求する。
③ 信者らに、宗教団体の代表に対する、絶対的帰依と従属を要求する。
④ 人類が滅亡する、輪廻転生ができないなど、構成員に恐怖感を執拗にあおる傾向が強く認められる。
⑤ 信者らが共同生活をしている。
⑥ 関連会社をもち、信者らにただ働きをさせている。
⑦ 家族からのクレームに関し誠実に対応しない。あるいは平気でウソをつく。

引用元:Q&A宗教トラブル110番

活動実態がなかなかつかめない団体もありますので、少しでも情報収集し、金銭トラブルの被害に合わないよう、調査されることをおすすめいたします。

無料相談窓口もご活用ください。
■弁護士ドットコム
https://www.bengo4.com

■独立行政法人国民生活センター 
https://www.kokusen.go.jp/index.html

■消費者庁(無料)
消費者ホットライン
https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/

カルトの定義

カルトの定義

私が所属していた、特に自ら選択して取り組んでいたエホバの証人という組織が、「カルト」なのかといわれると、私自身の解釈では、カルトと捉えることもできますし、そうでないともいえます。私から見た狭い景色からの解釈と、私以外の外側から見た景色では、答えは違うと思います。

では、カルトの定義とは何でしょうか。

カルトの定義
[カルト]ラテン語のcultus由来し、もともとは神々や英雄への「崇拝」を意味した。それが転じて熱狂的崇拝あるいはそれを行なう小集団をさすようになったのは、主として一九六〇年代以後である。…
ある集団をカルトと呼ぶ基準は、その集団の教義や儀礼が〈奇異〉に見えるかどうかであってはならない。あくまでその集団が、個人の自由と尊厳を侵害し、社会的に重大な弊害をもたらしているかどうかであるべきである。
引用元:カルトからの脱会と回復のための手引き《改訂版》

カルトの害悪
信教や思想信条の自由を侵害する
カルトの価値観から抜け出せなくなり、自律的な意思決定ができなくなる
構成員や一般の人々に対して献金等の名目で経済的収奪を行う
構成員に対して暴力や性的虐待を行う
病気が治るなどと称して生命や身体を害する
集団自殺や犯罪行為に及ぶ
カルト集団のために奉仕を強制される
児童の虐待やネグレクト、家族関係の断絶
引用元:消費者法ニュース 「カルト」とは何か

私たち夫婦は自らエホバの証人という宗教を選択して、信者になりました。ですから、自由が侵害されたことはないといえます。カルトの定義や害悪と自分自身の目にしてきたものを比べると、カルトではないといえますが、子どもの視点から見るとカルトになると思います。宗教二世三世の子どもたちにとっては、自由も奪われ、親の勝手な信仰心を押し付けられて、人権侵害ともいえます。社会的に何か悪いことはしていないとしても、子どもたちの選択を奪ってしまうのなら、カルトといわれても仕方ないといえます。人の見る視点で宗教組織は、カルトなのかカルトではないのか変わってくるのです。

カルトというと、事件を起こすような宗教がカルト宗教として扱われますが、決してそうではないということも認識する必要があります。

自分自身を善にしたいという願望のために、カルトと認めたくないという精神的ブロック生じますが、では、家族、伴侶、子どもたちが苦しんでいないのかという視点を持つと、思考の変化が生まれてきます。相手が苦しんでいるのなら、苦しめているのはやはり自分自身だという視点で物事を考えていただけたらと思います。