子どもがひきこもりになった時のはなし

私の子どもは、高校一年の時、入学して一ヶ月後、不登校になりました。ひきこもりです。

当時は、学校に馴染めないという理由だったので、子どもに原因があり、問題があり、親には何も間違いも問題もないと思い、スクールカウンセラーの勧めでメンタルクリニックにも受診させてしまいました。案の定、精神疾患名がつけられました。(現在では、チェックリストは、ほぼほぼ精神疾患がつくように誘導させられています。)

子どものひきこもりや不登校は、親子問題であり、夫婦問題であり、家族の問題であり、子ども一人だけの問題ではありません。(今思うと、夫婦関係にも、家庭環境にも、親子関係にもすべて問題がありました。そして、当時は気づけていませんでした。)

子どもがひきこもり、不登校になった時、私は「早く学校に行ってほしい」「このままでは社会の流れに取り残されてしまう」「ふつうにふつうの人として生活してほしい」など、すべて体裁を気にしたり、ひきこもっていると私自身が困ってしまうので、早く学校に行ってほしいと思って接していました。

子どもの心は置き去りにして・・・

あの時、もっと子どもの気持ちを最優先にしてあげればよかったなと、もっと何を考えていたのか聞いてあげればよかったなと思いました。それでも、1年間のひきこもりの後半は、なるべく早く学校に行ってほしいという親の気持ちを押し付けることはせずに、接していたと思います。子どもが学校に行きたくなったら行けばいいと。でも、家での仕事はある程度させていたと思います。すべて自由にはせず、家にいるという選択をしているのならば、家の手伝いはするようにさせていました。

極力、抑圧しなかったのがよかったのか、子どもの時間をなるべく取ったことがよかったのか、意思の疎通、会話はできていたのがよかったのか、何がよかったのかはわかりませんが、一年後、学校に戻る選択を子どもがしました。もう一度、入学式からはじめました。

それぞれの家庭のかたちがあるので、私たちのやり方が正解ではありません。それでも、親の気持ちを押し付けないことはとても大事だったと思います。

学校に行きたくない、ひきこもってしまったお子さんがいましたら、「じゃあ、別の方法を探してみる?」と一緒に考えるとよいかもしれません。それは、別の学校に行くのか、学校に行くことを目標にするのではなく、何か別の目標を立てるとか、学校がすべてではないと思いますので、将来設定なり、将来の目標なり、何か一緒に考えられるといいですね。

当人の気持ちが一番大事だということ、ただ子どもが動くのを待つのではなく、一緒に学校に行けない理由やこれからのことを考え、一緒に取り組むことを大切に子どもに接すれば、何かしらの突破口は見つかると思います。ひきこもりや不登校のお子さんの人生なので、子どもの意見を尊重したいですね。